
※本記事は、お客様へのインタビュー内容をもとに、住まいコンパス編集部が再構成しています。
売主から書類が出てこなくても、住宅ローン控除は拡大できる
中古マンションでも省エネ基準適合住宅の認定を取得できれば、住宅ローン控除額は13年間で最大133万円(ペアローンなら最大266万円)増える可能性があります。
今回ご紹介するのは、売主から住宅性能評価書が出てこず、控除の拡大を一度あきらめていたお客様の事例です。結婚を機に東京都品川区・天王洲エリアの中古マンションを購入された小林さん(仮名・会社員)は、賃借人が住んでいるオーナーチェンジ物件を、退去後にご自身たちで住む前提で購入するという珍しい買い方をされました。
今回の事例
| 購入物件 | 中古マンション(東京都品川区・天王洲エリア) |
| ご購入者 | 小林さん(仮名・会社員) |
| 購入理由 | 結婚を機に、ご家族で暮らす住まいを確保するため |
| 購入形態 | オーナーチェンジ物件(内見なし) |
| 取得した証明書 | 住宅省エネルギー性能証明書 |
| 住宅の区分 | 省エネ基準適合住宅 |
| 住まいコンパスを知ったきっかけ | X(旧Twitter)での情報発信 |
※実際の住宅ローン控除額は、入居年、世帯区分、借入額、所得税・住民税額などによって異なります。
一度はあきらめた住宅ローン控除の拡大
売主に住宅性能評価書が保管されていなかった
小林さんは購入の時点で、省エネ基準適合住宅なら住宅ローン控除が増えることをご存じでした。契約前に売主へ住宅性能評価書の保管状況を確認してもらったものの、書類は出てきませんでした。
「仕方がないので、一番低い『2,000万円×0.7%×10年』で妥協しようとあきらめていました。ないと分かったときは、すごくがっかりしたのを覚えています」
Xで「発行できる方法がある」と知った
状況が変わったのは、X(旧Twitter)で証明書を発行できる方法があると知ったことがきっかけでした。湾岸エリアのマンション価格の推移を発信しているアカウントをフォローしており、その投稿で住まいコンパスを知ったといいます。住宅ローン控除を調べていたわけではなく、たまたま流れてきた情報だったそうです。
「手数料を払っても2年ほどで回収できる見込みだったので、依頼してみようと思いました。たまたま見つけられて、本当にラッキーでした」
小林さんのマンションは竣工図などから省エネ基準適合住宅に該当することが確認でき、住まいコンパスで住宅省エネルギー性能証明書を発行。これにより、住宅ローン控除の拡大を受けられました。
中古マンションの控除の仕組みは、国土交通省「住宅ローン減税」のページでも確認できます。
竣工図は管理会社の協力で集められた
証明書の発行にあたって必要になったのが竣工図です。小林さんの場合は、マンションのコンシェルジュデスクが協力的だったことが大きかったといいます。
「『こういう図面はありませんか』とお願いしたら、大きな竣工図を持ってきてくれました。ページを開いてもらって、それを上から撮影しています。協力的でない管理会社だったら、管理会社まで出向くなどの手間がかかったと思います。
オーナーチェンジの中古マンションを内見なしで購入した経緯
「居住目的では買えない」と言われてから
物件はSUUMOに、賃借人が住んでいる状態で募集が出ていました。当初担当していた仲介会社に相談したところ、「居住目的での購入はできないので無理ですね」という回答だったといいます。
それでも本当かどうかを確かめるため、募集を出している仲介会社へ直接連絡したことで状況が変わりました。「賃借人が退去した後に住む前提であれば仲介できます」という回答が得られたのです。
内見できないことを「チャンス」と捉えた
賃借人は定期借家契約で、退去することが決まっていました。室内を見られないリスクはあるものの、小林さんはそこに利点を見出します。
「原状回復のリスクはあるものの、他に競合がいません。売り出し価格は2025年の相場がベースなのに、引き渡しは2026年に繰り延べられます。値上がりを先取りできる面もありました」
奥様も不動産に関心が高く、見ないで買うことが戦略的に良いという判断に当初から納得されていたそうです。物件の近くまで足を運び、外から建物を眺めることはされました。
特約で原状回復のリスクをカバー
内見できないリスクには、契約段階の交渉で備えました。売主は賃借人に原状回復費用を求める立場にあるため、「賃借人から回収した原状回復費をそのままこちらに渡してほしい」と依頼したところ、受け入れられたといいます。
実際に引き渡し後に室内へ入ると床が剥がれている箇所があったものの、壁紙や床の張り替え、壊れていたディスポーザーの修理まで、特約でカバーできたとのことでした。
情報収集と物件選びの考え方
X・YouTube・書籍で情報を集めた
もともとXをよく使っており、検討している物件の評判を検索していたという小林さん。そこから大手不動産サイト以外の情報源を見つけていったそうです。住宅ローンの専門家の発信もフォローし、書籍も購入されました。
YouTubeでは不動産関連の動画を視聴。投資用不動産だけでなく国際政治や日本株を扱う動画も多く、日銀の政策金利の動きから住宅ローン金利の先行きを考えるきっかけにしていたといいます。
新築ではなく中古マンションを「70〜80点」で
新築マンションは入居までのリードタイムが長く、住まいを確保する目的には向かないと判断されました。
「満点を目指すより、70〜80点くらいの中古マンションでまず買おうと考えました。去年の時点では、価格もまだ上がりそうな感じがありましたので」
天王洲エリアでは建設中のブランズシティ品川テラス、ブランズシティ品川ルネキャナルを見学。品川エリアで探していたため、ブランズシティ品川勝島にも足を運ばれています。大井町は再開発で周辺価格も上昇している印象があり、天王洲でもパークタワー天王洲が建設中であることから、エリア全体の盛り上がりに期待しているとのことでした。
資産性については、住むことがメインのため突き詰めてはいないものの、価値が下がりにくい要素は組み入れたといいます。お子さまが生まれることを考えて3LDK以上で探し、手が届く範囲で妥当なラインを選ばれました。エリアはご夫婦にとって思い入れのある場所だったことも大きかったそうです。
「欲しい時に買う」と決めた
購入を決めたのは婚約後、結婚前のタイミングでした。人生設計がある程度固まったことから、想定外のことが起きない限りは買ったほうが得だろうという判断です。
調べ始めたのは2025年の春ごろ。だらだら調べるよりも、欲しい時に決断したほうが良さそうだと分かり、行動に移されました。
天王洲エリアの住み心地
住んでみての満足度として最初に挙げられたのは景観でした。運河沿いという立地で、結婚式の撮影をしているカップルやクルーズ船が見えることもあるそうです。
「家から徒歩10分くらいの場所に、2週間に1回くらい週末にイベントがあります。屋台が出たりパフォーマンスがあったりして、家族で無料で楽しめるので、暮らしの満足度が上がりますね。ベッドタウンのようにファミリー世帯が多すぎるわけでもなく、騒がしくない、ちょうどいいサイズ感です」
羽田空港まで東京モノレール1本でアクセスできるため、出張や帰省も楽とのこと。一方で、近くの商業施設にスーパーや手頃なチェーン店の選択肢がもう少し増えるとよい、という点は今後に期待されていました。
これから中古マンションを購入する方へ
「住むことが目的でも資産性は大事ですが、タイミングもすごく重要です。最低限の資産性が確保できていて、今後の金利上昇もシミュレーションしてキャッシュフローに問題がなければ、できるだけ早く買ったほうがいいと思います」
実際、同じマンションの売り出し価格は前年より1割以上上がっているといいます。
編集後記
小林さんのお話で印象的だったのは、「言われたことをそのまま受け取らず、自分で確かめ直す」姿勢でした。
仲介会社から「居住目的では買えない」と言われても、募集元に直接問い合わせたことで購入の道が開けました。住宅ローン控除でも、売主から書類が出てこなかった時点で一度はあきらめています。それでも別の方法を知って行動したことで、控除の拡大につながりました。
資産性を意識しながらも100点を狙わず、70〜80点で素早く決める。そのうえで、確かめれば取れる選択肢は取りこぼさない。中古マンション購入で納得のいく結果を得るためのヒントが詰まったお話でした。
売主から書類を受け取れなかった方へ
中古マンションでも「省エネ基準適合住宅」の認定を受けると、住宅ローン控除額を13年間で最大133万円(ペアローンなら最大266万円)追加で受け取れる可能性があります。
必要な手続きは、住宅省エネルギー性能証明書を取得し、確定申告を行うことです。住宅ローン控除に使う証明書は、原則として住宅取得後6ヶ月以内の発行が必要です。
売主から住宅性能評価書などを受け取れなかった場合でも、竣工図などをもとに発行できるケースがあります。まずは住まいコンパスの15分オンライン無料診断でご確認ください。発行できなかった場合は費用がかからない成果報酬型です。
ご両親などから住宅取得資金の援助を受けた方は、贈与税非課税枠(住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置)との併用も検討できます。省エネ性能の証明は、住宅ローン控除と贈与税非課税枠の両方に関わるポイントです。
※制度内容は2026年10月時点の情報です。住宅ローン控除の適用条件や実際の控除額は、入居年、世帯区分、借入額、所得税・住民税額などによって異なります。
