「ペットと暮らせる家を」から始まったマンション購入。そして、ギリギリで知った住宅ローン控除の“落とし穴”とは?

物件概要

  • 名称:リヴァリエ
  • 所在地:神奈川県川崎市川崎区港町
  • 築年数:2013年(A棟)~2017年(C棟)
  • 分譲事業者:京急不動産
  • 総戸数:1,394戸
  • 特徴:港町駅隣接かつ多摩川沿いの利便性・眺望に恵まれた環境。タワーマンション3棟からなるビッグコミュニティ。
  • 省エネ性能:省エネ基準適合住宅に該当。省エネルギー対策等級4(新築時に認定済)、一次エネルギー消費量等級4(中古取得時に認定)

購入者プロフィール

  • 市川さんご夫妻(仮名):共働き、ペット1匹
  • 購入・入居:2024年夏に契約、12月入居
  • 購入理由:ペット可だったこと、コミュニテイの大きさ、駅徒歩分数、地元の安心感
  • 活用制度:住宅ローン控除(住まいコンパスで住宅省エネルギー性能証明書を取得)
目次

マンション選びは“スピードと相性”。私たちが学んだリアルな現実

どんなきっかけでマンション購入を考え始めたのですか?

「夫婦二人で賃貸に住んでいたのですが、いつかペットと暮らしたいという気持ちがあり、自然と“持ち家”の選択肢を考えるようになりました。また、私は新築マンションに関わる仕事をしており、住宅価格が急上昇している実情も身をもって感じていたため、『今決めなきゃ一生買えないかもしれない』と焦りを感じたことも、マンション購入を決意した理由の一つです。」

数ある物件の中から「リヴァリエ」を選んだ決め手は?

「当初は“ペット可”で探していたのですが、いくつか見ていくうちに、大規模マンション特有の“共用施設の充実”や“コミュニティの活気”に魅力を感じ始めました。リヴァリエは、各階のゴミ置き場やディスポーザーなどの設備面が整っているのはもちろん、私の地元に近く、土地勘があることも安心材料でした。広域でマンションを検討している人からは、川崎市港町(みなとちょう)は“治安が心配”という声も聞きますが、私自身が生まれ育った街なので、安全で住みやすい地域だとわかっていました。実際、今もその印象は変わりません」

他にも検討した物件はありましたか?

「実は、リヴァリエの前に一度別の物件で購入申し込みをしたことがありました。ただ、売主側と買主側の仲介を同じ大手不動産会社が担っていたため、最終的に不動産会社が自社で見つけた買主を優先して成約となり、購入には至りませんでした。この経験から、“情報や対応のスピード”がいかに重要かを痛感しましたね。リヴァリエは結果的にその後に見つけた物件でしたが非常に満足しており、巡り合わせに感謝しています」

思わぬ落とし穴?住宅ローン控除と必要書類の“知られざる条件”

ローンや控除制度は、どのように検討されましたか?

「住宅購入するという意思決定をしたのが2024年の7月で、翌8月には住宅ローンの事前審査を通しました。特別なこだわりはなかったので、仲介エージェントの方のおすすめに従って、金利の低さを重視して選びました」

「12月下旬の引渡前から住宅ローン控除についてある程度は知っていました。特に、省エネ性能が高い住宅では控除額が増えると聞いていたので、パンフレットで『省エネルギー対策等級4』の表記を見て、わが家は優遇を受けられるだろうと安心していたんです」

実際は、想定通りに控除が受けられましたか?

「いえ。確定申告では『省エネ基準適合住宅』に該当すると申告したのですが、申告後の2025年6月に、必要な書類が不足しているということで税務署から差し戻し通知が来たんです。提出していたのは設計住宅性能評価書でしたが、控除に必要なのは建設住宅性能評価書という別の書類だったんです。しかも、住宅性能評価書で求められる『省エネルギー対策等級』と『一次エネルギー消費量等級』のうち、リヴァリエは前者しか満たしていませんでした」

「その上、建設住宅性能評価書は交付から2年しか有効でないため、後から振り返ってみると私たちは二重三重に要件を満たしていなかったことになります。もちろんそこまでわからなかったのですが、期限も迫っていたためダメ元で購入時の不動産エージェントに相談したところ、住宅ローン控除のプロとして情報発信されている方と紹介されたのが住まいコンパスでした」

住まいコンパスに相談してみて:迅速・的確な対応が“救世主”に

住まいコンパスに相談してみてどんな印象を持たれましたか?

「最初に驚いたのは、対応の速さでした。税務署の差し戻し通知からあまり日がなく、かなり焦っていたのですが、こちらの質問にもすぐに返信があり、内容も非常に的確。平日の夜や週末でもレスポンスが早く、本当に心強かったです」

「紹介された翌日にオンラインでヒアリングを行い、その内容をもとに、住まいコンパスが認定条件、必要書類、ネクストアクションを整理してくれました。すぐに必要書類の取得に向けて不動産エージェントの方と住まいコンパスとで並行して動いていただき、最終的には売主さんがトランクルームから建設住宅性能評価書の原本を見つけてくださいました。また、もうひとつの要件である“一次エネルギー消費量等級4”の認定についても、当初は全く知らなかったのですが、こちらも住まいコンパスに書類探しと並行で判定いただき、最終的に住宅省エネルギー性能証明書を取得することができました」

証明書の取得で、実際どのくらいのメリットがありましたか?

「我が家はペアローンで借入していたため、控除額は10年間で合計400万円以上になります。そのうち、今回のローン控除拡大が認定されなければ、140万円をもらいそびれたことになります。知らなかったら、これだけの金額を取り戻せなかったと思うとゾッとします」

「税務署からの連絡を受けたのが6月で、決済は前年12月でした。有効な証明書は住宅の購入から6ヶ月以内に発行が必要だったらしく、その発行期限のギリギリでした。たまたま引き渡しが年末だったので運が良かったというのもありましたが、何より住まいコンパスの迅速な対応がなければ、確実に間に合っていませんでした」

住宅ローン控除の拡大を受けるには?4つの重要ポイント

  1. 「省エネルギー対策等級4」が新築時に取得されていたか
    • 新築時のパンフレットに記載があるか、手元に売主から住宅性能評価書を引き継いでいれば、容易に確認可能
    • 一部のデベロッパーでは、基準を満たしていてもパンフレットに表記がないケースも多いため注意(住友不動産、タカラレーベンなど)
  2. 「建設住宅性能評価書」が手元にあるか
    • 設計住宅性能評価書では不十分。原則として建設時の実地検査を経た建設住宅性能評価書が必要
    • 手元にない場合の書類入手のハードルはかなり高い。売主から引き継ぐのが最も確実だが、紛失しているなどの理由で貰えないケースも多い。その場合の善後策はデベロッパーや売主の状況によりケースバイケース
  3. 「一次エネルギー消費量等級4」を満たしているか
    • 主に設備機器の省エネ性能による認定のため、中古住宅でも認定可能。住まいコンパスでは、一定の条件を満たせば現地確認を省略しての認定も実施
    • 「基準を満たさず取れなかった」ではなく、「当時は検査必須項目ではなかったから確認していない」だけのことも多い。その場合、中古住宅購入時に新たに認定を取得することで、新築時の省エネルギー対策等級4と併せて「省エネ基準適合住宅」の認定を受けることが可能
  4. 「住宅省エネルギー性能証明書」を決済日から6ヶ月以内に発行できるか
    • 証明書の発行自体はいつでも可能だが、住宅ローン控除の有効書類と認められるのは“住宅取得日から6ヶ月以内”に発行された証明書のみ
    • 確定申告後の差し戻し通知から気づいても手遅れになるケースが非常に多く、事前確認が重要

実際に住んでみて

入居して半年ほどになりますが住んで良かったポイントを教えて下さい

「共用施設がとても便利で、特にスカイラウンジはお気に入りです。友人を呼んでパーティーをしたこともあります。眺望が良いのも気に入っています。川崎駅からのアクセスも良く、外食も多い我が家にはありがたい立地です。“ジャッキー餃子楼”や“いきいき”といったお気に入りのお店も増えてきました」

「元々の希望通り、転居後すぐにペットを飼い始めました。LDKが広いためキャットタワーを置いても余裕があり、夫婦とペットで毎日楽しく暮らしています」

「実家が近いこともあり、環境としては非常に満足しています。将来的に戸建てなど他の選択肢もあるかもしれませんが、今のところ転居の予定はありません」


編集後記

今回のインタビューでは、制度の“穴”に気づかずに控除を逃しかけた市川様の体験を通して、住宅購入における情報の大切さを改めて実感しました。見た目や価格だけでなく、「その物件が将来的に税制優遇を受けられるか」まで視野に入れることが、家選びではますます重要になってきています。

住まいコンパスは、そうした情報格差を埋めてくれる心強い存在でした。とりわけ、制度を理解していても“該当するかどうか”を自力で判断するのは非常に難しいポイント。実際に今回のような支援がなければ、条件を満たしていたにも関わらず、控除を受けられなかった可能性が高いです。

「調べてもわからない」「手続きが不安」と感じた方こそ、早い段階でプロに相談することをおすすめします。

目次